気象庁平年並みの寒さが続き、4年ぶりの大雪「予想外だった」と説明
<気象庁>今冬は平年並みの寒さ 「予想外だった」と説明
「暖冬で日本海側の雪は少ない」(気象庁)と予想されていた今冬だが、平年並みの寒さが続き、4年ぶりの大雪となっている。日本付近に寒気が流れ込みやすい上空の気圧配置が続いていることが主な原因で、気象庁は「予想外だった」と説明する。夏に発生したエルニーニョ現象が予想に反して顕著でないことも影響しているといい、「平成18年豪雪」以来の豪雪となる恐れも出てきた。
気象庁によると、昨年12月の降雪量は平年比で▽北海道109%▽東北日本海側80%▽北陸131%。08年までの3年間の12月は、北陸で平年の20%前後、東北日本海側で30〜60%で、今冬は大幅に増えた。今月も日本海側ではまとまった雪が降る日が続き、積雪は各地で平年を上回っている。
原因は上空の気圧配置だ。昨年11月末ごろから、北極付近で気圧が高く、日本を含む中緯度帯で低い状態が続き、北極付近の寒気が南下しやすくなっている。米国や欧州も先月中旬、寒波に襲われ大きな被害が出た。
また、太平洋赤道域東部の海面水温が高くなるエルニーニョ現象が発生すると、日本は高気圧に覆われやすくなり、暖冬になる傾向がある。だが、今冬は同現象によって大気の対流活動が活発になる領域が通常より西側にずれているため、日本付近では高気圧が発達していないという。
気象庁は、昨年9月発表の寒候期予報や毎月発表している3カ月予報で、今冬(12〜2月)について「気温は平年より高く、日本海側の降雪量は平年より少ない」としていた。気象庁気候情報課は「上空の気圧配置がこれほど長く安定するとは予想外だった。北極付近の気圧が変動するメカニズムは解明しきれておらず、予測が難しい」と説明する。同庁は平成18年豪雪の冬も「北日本を除き暖冬」と予想し、大きく外れた。
今後について同課は「1月半ばごろには北極付近の気圧が下がると予想されるため、1月後半は大雪が一段落するとみられる。しかし、その後の気圧変動によっては、再び寒気が流れ込み、豪雪になる可能性もある」と説明している。
◇各地の積雪と平年比◇
(7日午後5時現在、気象庁調べ)
北海道日高町 97センチ(226%)
青森県弘前市 41センチ(171%)
秋田県鹿角市 45センチ(237%)
仙北市 47センチ(147%)
岩手県西和賀町 85センチ(127%)
山形県西川町 135センチ(136%)
長井市 54センチ(180%)
福島県檜枝岐村 163センチ(214%)
群馬県みなかみ町173センチ(244%)
長野県飯山市 92センチ(200%)
岐阜県飛騨市 159センチ(346%)
新潟県妙高市 129センチ(182%)
湯沢町 140センチ(206%)
福井県大野市 62センチ(188%)
鳥取県大山町 117センチ(229%)