アイスランド火山灰で1万7000便欠航、飛行禁止は欧州14カ国に
火山噴火:飛行禁止は欧州14カ国に 1万7000便欠航
15日、米ボストンのローガン空港で、スペイン行きの便が欠航となり、足止めされた利用客ら=AP 【ロンドン会川晴之】アイスランドの火山噴火に伴う影響は16日も拡大した。風が弱く、火山灰の拡散がゆっくりとしているためで、英航空当局は17日午前1時(日本時間同日午前9時)まで、飛行禁止措置を延長した。英BBC放送によると、ノルウェーや英国北部などで降灰があり、硫黄臭も感じられるという。欧州で16日に航空規制(予定を含む)をしたのは14カ国、欠航は約1万7000便。噴火は数週間続くとの見方も出ている。
飛行禁止区域は、パリを含むフランス北部、ドイツ北部などにも拡大、英国、北欧諸国などを含めた欧州北部全域がマヒ状態に陥った。欧州域内に加え、日本などのアジア、米国との航空便の多くも運航停止した。
英気象庁によると、火山灰はアイスランドから南東の方向に流れ、スカンディナビア半島や英国、欧州北部へと移動する見通し。それに伴い、英北部のスコットランドやスウェーデン北部など一部地域で運航が再開される見通しだが、欧州北部の多くの地域では週末も影響が残るとの見方が広がっている。
日曜日の18日には、墜落死したポーランドのカチンスキ大統領の葬儀が営まれるが、オバマ米大統領ら各国首脳の出席に影響が出る可能性もある。
噴火したのはアイスランド南部のエイヤフィヤットラヨークトル火山。3月に続き、14日に再び噴火し、現在も活動している。アイスランド当局は「事態は予断を許さない」と警告している。
一方、航空専門家の中からは「過剰反応」との声も出ている。英テレグラフ紙(電子版)は「90年代のアイスランドでの噴火では、これほどの大規模規制はなかった。米同時多発テロ(01年)以来、安全対策が異常なほど強化された」と指摘。英タイムズ紙は、影響が週末まで長引けば、航空会社は1億ポンド(約140億円)の損失が出るとしている。
◇火山灰の影響で全域または一部で航空規制している国(予定を含む)は以下の通り。
英国、アイルランド、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、ベルギー、オランダ、リトアニア、フランス、ドイツ、ポーランド、スウェーデン、オーストリア、チェコ