今年の初売りで東北の主な百貨店の売上高明暗が分かれた

今年の初売りで東北の主な百貨店の売上高は、前年比で1割減や1割増、横ばいなどと店によって明暗が分かれた。各店とも高額福袋は振るわず、食品など日用品や割安な福袋の売れ行きの良さが目立った。割安なブランド品を扱う仙台市郊外のアウトレットモールは好調で、景気悪化に伴う堅実な消費行動が鮮明となっている。

 仙台市の百貨店は競合店が増えたことも影響し、苦戦した。藤崎は福袋3万5000個を完売したが、2日の売り上げは前年の約1割減。同時にスタートしたバーゲンも出足が伸び悩んだ。藤崎は「人気は生活密着型や夢を手ごろな値段で買える福袋。客が堅実になっている」と今年の傾向を分析する。

 三越仙台店では売れた福袋の個数は前年比微増だったが、売上高換算では1割減。食品やタオルなどが売れる一方、高額福袋の動きは鈍く、「例年のような衝動買い、ついで買いがない」(同店広報)と言う。さくら野百貨店も高額福袋は低調だった。

 これに対し、川徳盛岡市)は売上高が前年より約1割アップした。初売りの2―4日に、自社カード利用でポイントを通常の3倍にするサービスを初めて実施。同社は「購買意欲が高まる初売りに照準を合わせた戦略が奏功した」と「お得感」が消費者の支持を得たとみる。

 大沼(山形市)、中合福島市)の売り上げは前年並み。中合福島店は最高で20万円分の商品が入った「福福袋」(1万500円)400個を開店後2時間で完売。中三(青森市)は単価の安い福袋を多く用意し、売り上げを微減に食い止めた。

 昨秋開業した仙台市郊外のアウトレットは初めての初売り。仙台泉プレミアム・アウトレット(泉区)には2日に約3万5000人が訪れた。男性向け商品が好調で、同日の売り上げは「想定を上回った」(同店)と言う。三井アウトレットパーク仙台港宮城野区)も2日に2500人が並び、終日混雑した。「予想通りの結果。福袋以外も売れた」と手応えを語る。 河北新報より