被災して困っている人のために出したお金。そういう使われ方と知っていたら、寄付しなかった。義援金の目的にそぐわないのではないか

 宮城県大崎市が、岩手・宮城内陸地震で寄せられた義援金を、市内に357ある行政区に「防災対策費」として一律約8万円支給する方針であることが16日、分かった。防災関連の事業であれば、具体的な使途は各行政区の判断に委ねるという。「義援金の趣旨に沿った使い道か」と批判もあり、議論を呼びそうだ。

 市に寄せられた義援金は昨年末現在、約9300万円。県に寄せられた義援金の中から、新たに約1800万円が今月中に配分される見通しで、最終的には1億1000万円を超えることになる。

 市は被災者に約5770万円を支給するなどした上で、残額の中から約3000万円を各行政区に支出する方針。第三者を交えた配分委員会の承認を得ており、市社会福祉課は「防災関連であれば、使途は限定しない。今回の地震を教訓に、防災訓練などに役立ててほしい」と説明した。

 市内のある行政区長(69)は「定額給付金と同じで、もらえるものはもらう。宮城県沖地震に備えた防災訓練の炊き出しや懐中電灯の配布などに活用したい」と歓迎する。

 一方、市に義援金を寄せた古川の女性(46)は「被災して困っている人のために出したお金。そういう使われ方と知っていたら、寄付しなかった。義援金の目的にそぐわないのではないか」と疑問を投げ掛けた。

 別の行政区長(71)は「受け取るつもりだが、義援金は被災者や地域復興のためのお金。批判されてもやむを得ない」と頭を痛めている。

 義援金の受付窓口の一つとなった日本赤十字社義援金を「災害で生命、財産に被害を受けた人を慰め、励ますための見舞金」と定義している。 河北より

一言 義援金は「災害で生命、財産に被害を受けた人を慰め、励ますための見舞金」となっているのに勝手な解釈で善意を無にしないで欲しい。