仙台市教委は、廃園方針が示されていた市立東二番丁幼稚園(青葉区)を学校法人「曽根学園」民営化して存続させることを決めた。

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仙台市教委は、廃園方針が示されていた市立東二番丁幼稚園(青葉区)を民営化して存続させることを決めた。運営は学校法人「曽根学園」に引き継がれる予定で、2月議会に関連条例の改正案を提出する。

 市教委は16日、保護者約40人を集めて説明会を開き、民営化の意向を伝えた。

 幼稚園は1879年、木町通小付属幼稚園として開園。国内ではお茶の水女子大付属幼稚園(東京)に次いで古い。戦災で園舎が全焼し、いったん廃園となったが、保護者らでつくる「父母教師会」が再建、1974年から市営となった。

 しかし、少子化の影響で園児が減少し、赤字が年5500万円(06年度決算)に膨らんだため、市は06年に廃園方針を打ち出した。

 これに対し、歴史ある園の存続を求める保護者や地域住民が同年、「存続を願う会」を設立。昨年12月に運営を引き継ぐ法人の候補や教育方針などを盛り込んだ要望書を市に提出した。

 方針転換は、こうした保護者らの声に応えたもので、市教委の菅野茂・学校教育部長は「民間の幼稚園になることで(市の負担軽減という)当初の目的を達し、伝統も残る。皆さんの努力に感謝したい」と話す。願う会メンバーの庄子文康さんは「市の決断は評価できる。預かり保育の時間を保護者の要望に応じて延ばすなど、民営化が保育態勢を見直すきっかけになれば」と歓迎している。

(2009年1月18日 読売新聞)

仙台市立東二番丁幼稚園
国内で2番目に長い歴史を持つ幼稚園。明治12年6月7日、日本の第2番目の幼稚園、仙台区木町小学校附属幼稚園として創設されました。127年の歴史を持ち、現在も仙台市街地活性化と幼児教育充実化の重要な中心となっています。