気仙沼向洋高機械技術科3年の荒屋加奈さん(18)が、女子生徒としては宮城県内初となる機械加工「フライス盤作業」の技能検定三級を取得

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気仙沼向洋高機械技術科3年の荒屋加奈さん(18)が、女子生徒としては宮城県内初となる機械加工「フライス盤作業」の技能検定三級を取得した。卒業後は県立の技術系高校で実習助手となることが内定している。高校新卒で実習助手に就くのは極めて異例で、こちらも快挙として話題となっている。

 フライス盤加工は、直方体の金属から溝のある凹凸形を切り出し、2つが滑らかにスライドするように仕上げる技術。円形や円柱形を切り出す旋盤加工とともに、工作機械製作の基本となる。

 荒屋さんは2年生で旋盤の技能検定三級に合格しており、同二級へのステップアップを考えていた。しかし、フライス盤検定は女子の受検がほとんどなく、難度も高いことからフライス盤に挑戦することにしたという。

 学校にはフライス加工機械はあるが、切り出すための工具がなかったため、工具を新たに購入し、実習助手と二人三脚で試行錯誤を繰り返しながら練習を重ねた。ほんの少しでも溝が曲がったり、幅が違ったりすれば二つの金属はきれいにかみ合わない。荒屋さんは「とても難しかった」と振り返る。

 今回は県内で4人が受検したが、荒屋さんだけが資格を手にした。同校では男子を含めても初の取得で、機械技術科の武田修司科長は「後輩の励みになる」と喜ぶ。

 荒屋さんは「今後も技術を磨き、新たな挑戦を続けていきたい」と、4月以降の新生活にも夢を膨らませている。河北より