「ぼくちゃん石鹸」の東北石鹸佐藤工場(仙台市若林区)は会社解散で労使で泡まみれの対立闘争

固形石鹸(せっけん)「釜出し一番」を製造する東北石鹸佐藤工場(仙台市若林区)は22日までに、会社解散と従業員5人の解雇を決めた。施設の老朽化などが理由で、生産は新しい事業者が継承する予定。労働組合は解雇撤回を求めて会社側と対立し、全国的な知名度を持つ「自然派石鹸」の製造現場が揺れている。

 2月末に従業員を解雇し、3月末で会社を解散する方針は17日、従業員に通知された。このうち組合員の3人と支援者は22日、工場前でストライキを実施、事業と雇用の継続を訴えた。

 同社は1923年の創業。38年に現工場で生産を開始した。製造技術のほか、「坊ちゃん石鹸」の愛称で親しまれる男児の顔のトレードマークは新会社に引き継がれ、生産拠点は名取市に建設中の新工場に移る見通し。

 労組の洞口明委員長は「新工場移籍を前提にした労働条件に関する交渉が不調に終わった。解散と解雇は組合をつぶすための偽装だ」と主張。佐藤吉範社長(77)は「施設の老朽化と自分の年齢もあり、事業継続は難しい。愛用者のためにも会社を解散し、新しい経営者に事業を継承しようと決めた」としている。

 同社はヤシ油、牛脂などを原料に、肌への刺激が少ない純粋無添加石鹸を手作りし、全国にファンがいる。 河北より

釜出し一番石鹸 (坊ちゃん石鹸)釜出し一番石鹸 (坊ちゃん石鹸)
(2006/05/29)
不明

商品詳細を見る