岩手県住田町世田米地区で24日、ぼろ着をまとうなどこっけいな姿で一斗缶を激しく打ち鳴らし、地域の無火災を祈る奇習「水しぎ」

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岩手県住田町世田米地区で24日、ぼろ着をまとうなどこっけいな姿で一斗缶を激しく打ち鳴らし、地域の無火災を祈る奇習「水しぎ」が行われた。

 例年にない晴天に恵まれ、消防団員や若者ら約20人が汗だくになって約400世帯を訪問。玄関先で「見っさいな、見っさいな」で始まる数え歌を歌い、お守りの札を配りながら防火を呼び掛けた。

 埼玉県の出身で、町内で1年ほど前からNPO活動に取り組んでいる野尻美香さん(22)は、はげ頭のカツラとどてら姿で参加。「こんなに楽しい伝統行事は珍しい。地域住民同士のつながりも感じた」と話した。

 水しぎは江戸時代、宿場町だった世田米地区で、火事に気づいたこじきが金物をたたいて大火を防いだのが起こりとされる。「水注ぎ」か「水祝儀」が語源と言われる。 河北より