ハタハタの漁獲量が今シーズン、33年ぶりに1000トンを超えハタハタ迷惑?

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青森県日本海側でのハタハタの漁獲量が今シーズン、33年ぶりに1000トンを超え、前年の約8倍となったことが県水産総合研究センター(鯵ケ沢町)の集計で分かった。資源量が豊富な2006年生まれの2歳魚が主体となった上、群れが北に寄り、青森県の漁獲量が際立って伸びたという。一方、魚価は低迷し、自主休漁に踏み切った漁協も。浜からは「雄は箱代にもならなかった」とのぼやきが聞こえてくる。

 県内のハタハタ漁獲量の推移はグラフの通り。ほぼ漁が終わった今シーズンは1193トン(08年12月26日現在)に達し、前年の151トンを大きく上回った。

 一方、有数の産地である秋田県側は漁獲量(同12月31日現在)が2762トンと、前年の1617トンの1.7倍にとどまった。資源保護の動きや値崩れによる影響もあったというが、秋田県水産振興センターは「ハタハタの接岸が北寄りとなり、青森県側の豊漁につながった」とみている。

 水産物卸の青森魚類(青森市)によると、ハタハタの市場価格(雌)は例年、1キロ当たり300円から1000円台前半で取引されるものの、今季は150―800円程度で「底が見えなかった」という。

 このため、青森県内でハタハタの漁獲量が最も多い鯵ケ沢町の鯵ケ沢漁協や、隣接する深浦町の新深浦漁協はそれぞれ、丸一日の自主休漁に追い込まれた。
 鯵ケ沢漁協の関係者は「漁期の最初にどっと(魚群が)来て価格が低迷した。雄は箱代にもならず、タンク詰めで出荷した。子持ちの雌でさえ、(浜値が)1キロ100円を割ることがあった」と嘆く。

 青森県水産総合研究センター資源開発部の野呂恭成部長によると、ハタハタは数年に1度大量発生する「卓越年級」という現象があり、今回豊漁につながった06年生まれがそれに該当する。

 野呂部長は「今期の傾向は分かっていたが、予想以上の豊漁。来期もある程度は期待できるが、07年生まれの資源量は少ない可能性がある」と説明。
 秋田県の全面禁漁(92―95年)などの資源管理や自然環境の変化を挙げ、「ハタハタの資源量は右肩上がりの傾向だが、年により差がある」と資源管理の必要性を訴えている。 河北より