近代化産業遺産に大崎市の旧松山町で1929(昭和4)年まで運行していた「松山人車軌道」など5件が認定

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経済産業省の近代化産業遺産が6日発表され、県内では、大崎市の旧松山町で1929(昭和4)年まで運行していた「松山人車軌道」など5件が認定された。

 人車は、トロッコに似た貨車に人を乗せ、レール上を人力で動かす乗り物。松山地域では1922(大正11)年11月3日に開業し、1929年まで、町の中心部から国鉄東北本線松山駅までの約2・5キロで運行された。車体は、長さ、高さが各1・82メートル、幅1・21メートル。定員は8人だが、満員で15〜16人乗れた。車夫は1人で駅まで約15分で走った。1日15往復ほど運行され、乗客は1日平均約80人あり、営業成績は良かったという。

 人車は小田原―熱海間にあった豆相人車鉄道などが有名だが、「東北地方の産業振興の基礎を築いた交通基盤整備の歩みを物語る」として近代化産業遺産に認定された。

 廃業当時の人車2台が修復されて、市松山ふるさと歴史館と鉄道博物館さいたま市)に展示されている。

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 ほか近代化産業遺産に認定されたのは以下の通り。

 ▽「仙台市の化学工業関連遺産」(仙台市青葉区)の三居沢発電所、三居沢電気百年館の所蔵物▽「仙台市の通信技術開発関連遺産」(同)の斎藤報恩会自然史博物館の所蔵物、八木・宇田アンテナのレプリカ▽「野蒜(のびる)築港関連遺産」(東松島市)の北上運河、市街地跡、測候所跡など▽「金華山灯台」(石巻市

( 読売新聞)