仙台市で住宅地などの限界集落化が急速に進んでいる

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仙台市で住宅地などの限界集落化が急速に進んでいる。河北新報社のまとめでは、65歳以上の高齢者が50%を超える「限界集落」と40%以上の「予備軍」は計10地区、30%台は44地区に上る。農村部に加え、造成から30年以上のニュータウンで高齢化が目立つ。老齢化に伴う地域コミュニティーの衰退は、政令市・仙台にとっても深刻な課題に浮上している。

 市の住民基本台帳(2008年4月1日現在)から、町、大字ごとにまとめた市内の高齢化地域は図の通り。(特別養護老人ホームの所在地は除く)

 市内約920地区のうち、50%を超えるのは川内中ノ瀬町(青葉区)と小田原広丁(宮城野区)で、いずれも人口150人未満の小さな地区。40%台は一番町3丁目、北根2丁目(青葉区)鶴ケ谷1、3、7丁目、扇町3、7丁目(宮城野区)旗立2丁目(太白区)と続く。

 30%台は中山、桜ケ丘(青葉区)緑ケ丘、太白、羽黒台、ひより台、日本平太白区)将監(泉区)など、1960―70年代に開発された住宅団地が多い。

 熊ケ根、新川(青葉区)の農村部に加え、中央1―3丁目、一番町4丁目の市中心部にも点在。高齢化率が25%を上回る地区をみると、全域で約100カ所に達する。

 市の高齢化率は17.5%(08年3月)。国立社会保障・人口問題研究所(東京)の推計では、25年に27.0%まで上昇する見通しだ。

 区別では25年に泉が29.6%、太白は28.1%になる。青葉(27.1%)宮城野(23.1%)若林(25.8%)に比べて上昇率が大きい。

 ニュータウンとともに成長した区の急速な高齢化を裏付けており、十数年後には人口減少とともに、市域の大半が限界集落とその予備軍に覆われる可能性がある。

 市企画市民局は「開発から数十年が経過したニュータウンを中心に、世代の偏りが顕著になっている。高齢化で弱まりつつある地域の機能を下支えする対策が必要になっている」と話している。
河北より