仙台の伝統工芸品「松川だるま」に耳付きだるまがお目見えした

0ダルマ

仙台の伝統工芸品「松川だるま」に耳付きだるまがお目見えした。仙台市青葉区柏木で、だるまの製造・販売を手掛ける老舗「本郷だるま屋」が江戸期の木型をもとに作った。耳付きだるまは全国でも珍しく、「不況の折、福耳で金運を呼び込みたい」と人気を集めている。

 耳付きだるまは体長約20センチ。形と色は松川だるまと同じで、顔の両側にぷっくりと盛り上がった5センチほどの耳がある。

 木型は本郷だるま屋の本郷尚子さん(56)が2008年8月ごろ、義母で9代目の故けさのさんの残した木型を整理した際に2体見つけた。約200年前に作られたとみられる。和紙に包まれていて保存状態は良かった。

 本郷さんは木型をもとに見本を作成し、11月に青葉区一番町の民芸品店「しまぬき」に展示した。物珍しさもあって注文が相次ぎ、今月上旬に初回販売分の20体の受け付けを終えた。

 本郷さんの元には「福々しい耳を持つだるまが福を呼んでくれそうだ」という声が寄せられている。「自分の思いに耳を傾けてもらえるように見える」という声もあったという。

 本郷さんは「もともとは母親の供養のために作ったが、反響の大きさに驚いている。不況で何かにあやかりたいと思う人が増えているのだろう。大量生産はできないが、少しずつ作り続けたい」と話している。

 全日本だるま研究会(浜松市)の田島哲三事務局長(87)は「だるまの耳は衣の下に隠れているのが一般的で、耳のあるだるまは全国でも見たことがない」と驚いている。
 価格は税込み7350円。連絡先はしまぬき022(223)2370。 河北より