英女性歌手のサラ・ブライトマン(48)は23日、東京・北の丸の日本武道館で5年ぶり8度目の来日公演(4都市6公演、5万人動員)をスタート

英女性歌手のサラ・ブライトマン(48)は23日、東京・北の丸の日本武道館で5年ぶり8度目の来日公演(4都市6公演、5万人動員)をスタートさせた。俳優、織田裕二(41)の主演映画「アマルフィ 女神の報酬」(西谷弘監督、7月公開)の主題歌「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」など27曲を熱唱。美声で1万人を酔わせた。
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サラ・ブライトマン(Sarah Brightman, 1960年8月14日 - )は、イギリスのソプラノ歌手、女優である。1980年代にミュージカル女優として輝かしい成功を収め、1990年代以降はソロ歌手として活動している。クラシックとポップスを融合した独自の音楽スタイルはクラシカル・クロスオーバーの世界的な隆盛をもたらしている。アメリカにおけるビルボード・チャートのクラシック音楽部門とダンス音楽部門で同時に1位を獲得した唯一の歌手である。

略歴

デビューまで
ハートフォードシャー州バーカムステッド出身。3歳からバレエを習い始め、11歳の時に寄宿制の学校に入学しジャズと演技を学んだ。1973年、13歳の時にピカデリー・シアターのミュージカル「I and Albert」で劇場デビューを果たした。

1976年、16歳の時にBBCの人気番組『トップ・オブ・ザ・ポップス』などで活動するダンス・グループ、「パンズ・ピープル」に加入した。一年後にはこのグループを離れ、『ケニー・エヴァレット・ビデオ・ショー』で活動する「ホット・ゴシップ」に加入し、1978年に「I Lost My Heart to a Starship Trooper」が全英チャート最高6位のヒットとなった。

ミュージカル女優として
1981年に新作ミュージカルの『キャッツ』のオーディションを受け、ジェミマ役を射止めた。サラはその後もアンドルー・ロイド・ウェバーのミュージカルに数多く出演した。1984年にはウェバーと結婚し、ウェバー作「レクイエム」の初演でもソプラノ・パートを務めた。

特に1986年に『オペラ座の怪人』にオリジナルキャストとして出演したクリスティーヌ・ダーエ役での成功は彼女の名を一躍世界に知らしめることとなった。この役は彼女のために作られた役であり[1]、ウェバーはこのミュージカルのブロードウェイでの上演に際してはブロードウェイ俳優協会の反発を押し切ってサラをクリスティーヌ役に起用した。

しかし1990年にはウェバーと離婚し、その後はソロ歌手としての活動に専念するようになった。


ソロ歌手として
サラは1991年のNHK紅白歌合戦に出演し『オペラ座の怪人』のナンバー「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」を歌い、日本の音楽ファンにもおなじみの存在となった。また1992年のバルセロナオリンピックの閉会式ではスペインのオペラ歌手ホセ・カレーラスとのデュエットで大会の公式テーマ曲『アミーゴス・パラ・シエンプレ』を歌った。

その頃彼女はドイツを拠点とする音楽グループ、エニグマからソロ歌手として活動するよう薦められていた。1991年に彼女はドイツを訪れ、エニグマのメンバーであるフランク・ピーターソンをプロデューサーに迎えることとなった。こうして制作されたのが1993年のアルバム『Dive』である。深海をテーマにしたこのアルバムにはスウェーデンのバンド、Diveのデビュー・シングル「キャプテン・ニモ」のカバーが収録された。ピーターソンは私生活のパートナーにもなり、この関係は2004年頃まで続いた。

1995年にはアルバム『Fly』を発表。収録曲「クエスチョン・オブ・オナー」は世界的なヒットとなった。アルフレード・カタラーニのオペラ『ラ・ワリー』のアリア「Ebben? Ne andrò lontana」(さようなら、ふるさとの家よ)を採り入れたこの作品は、ボクシングの世界タイトルマッチ、ヘンリー・マスケ対グラジアーノ・ロッシジャーニ戦で公式ソングとして歌われたのが最初の演奏だった。この曲は2000年頃からテレビ朝日サッカー日本代表の試合中継でテーマ曲として使用されており、日本のサッカー・ファンにもなじみ深い存在となっている。

翌1996年にはさらにアンドレア・ボチェッリとのデュエットによる「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」が爆発的にヒットし、クラシカル・クロスオーバーというジャンルの世界的な隆盛をもたらした。この曲もマスケの引退試合において歌われたことが人気の起爆剤となった。

この成功を受けて同年中に「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を追加収録した『Fly』の再発盤がリリースされ、翌1997年には同曲を含む新たなアルバム『Timeless』が制作された。この『Timeless』にはほかにアルゼンチンのオペラ歌手、ホセ・クーラとのデュエット曲やクイーンやジプシー・キングスのカバー曲が収録された。

その後も『Eden』(1998年)、『La Luna』(2000年)、『Classics』(2001年)、『Halem』(2003年)と精力的なアルバム製作が続いた。『Halem』日本盤に収録の「サラバンド」は「ニュースステーション」のオープニングテーマ曲に採用された。

『Halem』以降はしばらくアルバム空白期が続いたが、2007年には「ビー・ウィズ・ユー 〜いつもそばに〜」が映画『劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ』のエンディングテーマ曲に採用された。同年8月には世界陸上大阪大会の開会式に出演し、グスターヴ・ホルストの「木星」をアレンジした「ランニング(ジュピター〜栄光の輝き)」を歌った。

2008年にはこの2曲を収録したアルバム『Symphony』が5年振りにリリースされた。同年の北京オリンピックの開会式では劉歓とのデュエットで大会公式テーマ曲「我和你 (You and me)」を歌った。11月にはクリスマス・アルバム『A Winter Symphony』を発売。同アルバムは日本ではクラシック系アーティストによるクリスマス・アルバムとして初めてオリコンの洋楽アルバム・ランキングで1位になった[2]。

音楽
サラは声楽を初めトリニティ音楽大学のエリザベス・ホーズに、次いでジュリアード音楽院のエレン・ファウルに学んだ。現在はデイヴィッド・ロマノについている。彼女の声域は3オクターヴに及び[3]、彼女自身によると最高音はF6にまで達するという[4]。『オペラ座の怪人』で指揮者を務めたデイヴィッド・キャディックは、彼女はポップス的なものとソプラノ的なものと二通りの発声を使い分けることができ、ソプラノ部の最高音はE6に達すると証言している[5]。

サラの音楽は一般に「クラシカル・クロスオーバー」と呼ばれる。マンハッタン・レコードのゼネラル・マネージャー、イアン・ラルフィニによると、彼女はこの分野の現在の人気に決定的な貢献をしているという[6]。サラ自身は2000年のインタビューでこうした類型化を「ぞっとする」として拒絶する一方で、人々の音楽を分類しようとする欲求については理解する、とした[7]。

彼女はデヴィッド・ボウイピンク・フロイドなど1960年代から70年代にかけての音楽家から影響を受けており[1]、ポップス、ロックからクラシックに至る幅広い分野の音楽を融合させている。彼女のアルバム収録曲はヘンデルプッチーニのオペラ・アリアからカンサスやプロコル・ハルムの楽曲にまで及んでいる。


ディスコグラフィ

キャスト・レコーディング
キャッツ ― オリジナル・ロンドン・キャスト - Cats (Original London Cast) (1981)
Nightingale - Original London Cast (1983)
レクイエム - Andrew Lloyd Webber : Requiem (1985)
ファントム・オブ・ジ・オペラ(オペラ座の怪人)/オリジナル・ロンドン・キャスト - The Phantom of the Opera - The Original London Cast (1986)
Carousel (1987 Studio Recording Cast) (1987)

ソロ・アルバム
夏の最後のバラ〜フォークソング集:ベンジャミン・ブリテン編 - The Trees They Grow So High (1988)
The Songs That Got Away (1989)
As I Came of Age (1990)
アンドリュー・ロイド・ウェッバー・ソング・ブック - Sings the Songs of Andrew Lloyd Webber (1992)
Dive (1993)
Surrender (1995)
エスチョン・オブ・オナー - Fly (1995)
タイム・トゥ・セイ・グッバイ - Timeless (Time To Say Goodbye) (1996)
エデン - Eden (1998)
ラ・ルーナ - La Luna (2000)
The Very Best of 1990-2000 (2001)
アヴェ・マリアサラ・ブライトマン・クラシックス〜 - Classics (2001)
もし私がふたたび恋に落ちたら - Encore (2002)
ハレム - Harem (2003)
ハレム・ワールド・ツアー - The Harem Tour - Live From Las Vegas (2004)
アンドリュー・ロイド・ウェバー・ソングブック 2〜ラヴ・チェンジズ・エヴリシング - Love Changes Everything: The Andrew Lloyd Webber Collection, Volume 2 (2005)
輝けるディーヴァ 〜ベスト・オブ・サラ・ブライトマン - Diva: The Singles Collection (2006)
神々のシンフォニー Symphony (2008)
冬のシンフォニー A Winter Symphony (2008)

シングル
I Lost My Heart To A Starship Trooper (1978)
The Adventures of a Love Crusader (1979)
Love In A UFO (1979)
My Boyfriend's Back (1981)
Not Having That! (1981)
Him (1983)
Rhythm of the Rain (1983)
A Room With A View (1987)
Anything But Lonely (1990)
Something To Believe In (1990)
Amigos Para Siempre (1992)
Captain Nemo (1993)
The Second Element (1993)
A Question Of Honour (1995)
Heaven Is Here (1995)
How Can Heaven Love Me (1995)
Time To Say Goodbye (1996)
Just Show Me How To Love You (1997)
Tu Quieres Volver (1997)
Who Wants To Live Forever (1997)
Eden (1998)
There For Me (1998)
Deliver Me (1999)
So Many Things (1999)
The Last Words You Said (1999)
Scarborough Fair (2000)
エスチョン・オブ・オナー - A Whiter Shade Of Pale / A Question Of Honour (2001)
Harem (2003)
It's a Beautiful Day (2003)
What You Never Know (2003)
Free (2004)
Snow on the Sahara (2004)
ビー・ウィズ・ユー 〜いつもそばに〜 - I Will Be With You (Where The Lost Ones Go) (2007)
ランニング(ジュピター〜栄光の輝き) Running (2007)
Pasión (2007)

ビデオ
イン・コンサート - In Concert (1998)
ライブ・イン・コンサート〜エデン・ツアー〜 - One Night In Eden : Live In Concert (1999)
ラ・ルーナ・コンサート - La Luna Live In Concert (2001)
ハレム〜デザート・ファンタジー - Harem: A Desert Fantasy (2004)
ハレム・ワールド・ツアー - The Harem World Tour Live from Las Vegas (2004)
輝けるディーヴァ 〜ベスト・オブ・サラ・ブライトマン - Diva: The Video Collection (2006)

映画‎
Repo! (2008)

脚注
^ a b Official video biography
^ "サラ・ブライトマンオリコン至上初の快挙" (日本語). BARKS (2008-11-08). 2008-11-08 閲覧。
^ Alter, Gaby. "Tour Profile: Sarah Brightman". 1 April 2004. Retrieved 22 August 2006.
^ Perusse, Bernard. Sarah Brightman: The original angel of music hits the high notes in Symphony, Times Colonist, 4 February 2008. Retrieved 4 February 2008.
^ Chin, Siew May. Official biography, part two..
^ Price, Deborah Evans. Genre-Bending Brightman Seeks Crossover Success With 'Symphony'. Billboard Magazine, January 19, 2008. Retrieved January 13, 2008.
^ Charaipotra, Sona. People Weekly, 6 November 2000.


オフィシャル・ホームページ (英語)
サラ・ブライトマン 公式 MySpace
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