漫才師、前田五郎(67)が所属していた吉本興業などに対して、慰謝料など計1億2000万円の損害賠償を求める

漫才師、前田五郎(67)が所属していた吉本興業などに対して、慰謝料など計1億2000万円の損害賠償を求める訴えを24日、大阪地裁に起こした。漫才師、中田カウス(60)の自宅に脅迫状が送りつけられた事件で、前田いわく「犯人扱いされ、仕事を奪われた」ことが理由。大阪市内で、15日に吉本から契約解消されて以来初めて会見し、「えん罪だけは晴らします」と声を荒らげた。
ようやく口を開いて主張したのは、「えん罪を晴らしたい」だった。

 代理人弁護士の法律事務所に現れた前田は、黒いジャケット姿。「犯人扱いされた上、話し合いにも応じずに一方的に契約を解消された。会社のことを思って最初は提訴を躊躇(ちゅうちょ)したが、このままでは犯人にされたまま消えてしまう。自ら出廷して意見を述べたい」とした。

 訴状によると、吉本はカウス宅に脅迫文が送られた事件について5月に前田を呼び出し、筆跡鑑定用に脅迫文と同じ文章を書かせた上、前田の同意なく「休養」を発表。代理人弁護士が専門家に依頼した筆跡鑑定で脅迫文の文字は別人との結果が出たため、同社に復帰に向けた協議を申し入れたが、拒否された。

 その後、週刊誌の取材に応じたところ「さらば吉本興業」と題した記事が掲載されたため、同社から「前田氏の意向」として9月に契約を解消された、としている。

 そのため過去3年間平均で約986万円あった年収はゼロに。1億2000万円について「安いですね、僕にしたら。3億でも安いと思てます。(脅迫文を書いた事実は)何にもないんですもん。頭から雷落とされて」。

 半生をかけて集めた芸に関する本、段ボール20箱分などを売って生活費にあてる日々。「地獄の地獄に突き落とされたけど、えん罪だけは晴らしたい」と繰り返した。

 カウスに対して「三流芸人」「人間失格」などと罵倒する場面も。一方で吉本復帰について「もうないでしょう。坂田(利夫=元相方)という受け皿がないと。オレはアイツによって生かされてきた」とも。事実上の引退状態だが、「それしか…。強制的ですけど」と、あきらめ顔だった。サンスポヨリ