2日の仙台初売りには、目当ての福袋を手に入れようと早朝から列をつくった

 2日の仙台初売りには、目当ての福袋を手に入れようと、今年も大勢の買い物客が好みの店の前に早朝から列をつくった。昨年、市内に新しい商業施設の進出が相次ぎ、福袋の購入先が増えたと喜ぶ買い物客。不景気に苦戦し嘆く店がある一方で、多くの商店は「不況を吹き飛ばせ」とばかりに大きな掛け声を張り上げ、福を呼び込んだ。買った人と売った人に手応えを聞いた。

◎売った人 手応えは?
人出変わらず安心/買う人減った印象

 三越仙台店の三須尚紀店長(54) 景気が悪い中、前年並みの人出で安心しました。昨年11月に開店した定禅寺通り館の初売り行列の長さは本館の3分の1でしたが、これを機に認知度を上げたいです。
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 お茶の井ケ田一番町本店の坂本浩平店長(28) 午前中は例年より混雑しませんでした。不景気と郊外のアウトレット店進出が影響したのではないでしょうか。いつも以上に声掛けをして初売りを盛り上げます。
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 鐘崎一番町店の菅原朗店長(52) 不況で客足を心配しましたが、昨年より勢いがあります。6年ほど前から続けているおでんの店頭販売が浸透したのではないでしょうか。お客さまの活気に負けないよう店員一同声を張り上げ売り込みます。
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 エスパル仙台店の安藤典夫店長(64) 「エスパル?」ができて初めての初売りです。来店者は前年並みですが、実際に買い物する人は昨年より少ない印象。昨年12月の売り上げも前年同月割れで、特に衣料品が落ちています。お客さまが厳しく品定めをしているのではないでしょうか。
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 仙台パルコ営業課の福田洋史さん(37) 初めての初売りで試行錯誤しました。テナントの6割が仙台初進出の店です。仙台初売りは伝統があり、人出も福袋を買う人も多い印象を受けます。仙台のお客さまに気に入ってもらえればうれしいですね。

◎買った人 手応えは?
家族で分担し成果/就職の願かけ並ぶ

 仙台市太白区の無職桜井穣さん(78) 1日午前2時半から一番町3丁目のお茶屋に並び、豪華なお茶箱を一番乗りで手に入れました。昨年は8番目だったので、とてもうれしい。毎年、自分の健康を確認するために初売りに並んでいます。来年も元気に並びたいです。
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 宮城野区の主婦相沢千賀子さん(47) 午前2時40分から祖母(73)、長男(20)、次女(23)、めい(28)と5人で並びました。百貨店の洋服や食品の福袋を中心に、分担して買いました。長女(28)はほかの店に並んだので、帰って家族で成果を確認したいです。
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 福島県郡山市の大学3年小沢和希さん(21) 不況にめげず就職活動で内定一番乗りができるように願をかけました。元日の夕方から百貨店前に並んだら(行列の)一番。好みの洋服やアクセサリーが買え、幸先の良い正月になりました。
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 神奈川県横浜市の主婦山崎明美さん(28) 毎年初売りに来るため、実家の仙台に帰省しています。昨年は元日に初売りをした郊外の大型店に行きましたが、今年は中心商店街に戻って来ました。新しい店が増え、福袋を選ぶのが楽しいです。
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 福島県相馬市の会社員石黒政之さん(42) 午前零時半から並び、ジャンパーとコートを重ね着して寒さをしのぎました。今年は年明けから晴れて良かったです。好みのブランドの福袋も買えたし、いい年になりそうです。