藩政時代から東松島市宮戸月浜地区に伝承されている小正月の行事「えんずのわり」が11日夜から地域の鎮守・五十鈴神社境内の岩屋で始まった

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国の重要無形民俗文化財で、藩政時代から東松島市宮戸月浜地区に伝承されている小正月の行事「えんずのわり」が11日夜から地域の鎮守・五十鈴神社境内の岩屋で始まった。

 「えんずのわり」は意地が悪いという意味。地域に悪病をもたらし、農作物を荒らすのは「悪い鳥がくるから」との言い伝えから、小中学生の男の子たちが、広さ10畳ほどの岩屋に5日間こもり、朝晩神社に参拝。地域住民の無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する。

 今年は、市立鳴瀬二中3年の鈴木涼平君(14)を大将に、小学2年生以上の男子6人が参加。14日夜は、松の棒で地面を突きながら、「えんずの悪い鳥をば頭割って塩つけて、蝦夷(えぞ)が島さ流せ」と叫びながら、地区内の約40戸の家々を回り歩く。

鳴瀬町宮戸の月浜地区に古くから伝わる小正月の鳥追行事である。1月11日から16日までの6日間月浜地区に在住する小学2年生から中学2年生までの男子が五十鈴神社の参道のわきに造られている岩屋に集まり、お籠りをして寝食を共にし精進料理を食べながら鳥追いの行事を行う。

一同は、毎朝起床とともに社の内外を掃き清め恭しく礼拝、その後食事をする。14日の晩には、神木(松の木)を持ち、月浜地区の各戸を「え一え一え一えんずのわりとりょうばかずらわってすをつけてたあどうかあみさあただみ一い一れ一でえん一どがすまさながせえ一え一え一」と3回唱えながら家の前で神木を地面につき、鳥追いの厄払いをして歩く。



毎日新聞 2009年1月14日 地方版