梅原克彦市長は説明責任や行政手続きの適正さに対する認識が欠如しているようだ。

仙台市梅原克彦市長が昨年10月下旬、個人的事情で青葉区立町から同区支倉町に転居した際、荷物の一部を市長公用車で運んでいたことが16日、市が情報開示した資料などで分かった。運搬作業は勤務中の秘書課職員も手伝っていた。梅原市長は「公務に必要な書籍や資料などを運んだ。問題はない」と話している。

 市が開示した市長公用車の運行記録によると、梅原市長は10月29日に立町のマンションから、約1キロ離れた実家近くの支倉町のマンションに転居。公用車も翌30日朝から支倉町に迎えに行っていた。

 同月24日の運行記録には午後3時40分から午後8時すぎまで、「立町―支倉―立町」と記入されており、複数回往復したとみられる。

 梅原市長によると、24日は立町から書庫がある実家と新居に、秘書課職員を手伝わせて書籍などが入った紙袋やかばんを数十個運んだという。職員には超過勤務手当が支給された。

 引っ越しの理由について、市は「市はかかわっていない。市長の事情だと考えている」(秘書課)という。

 一方、梅原市長名のタクシーチケットの写しと公用車の運行記録によると、転居翌日の30日は午前9時半から午後7時すぎまで公用車を使ったほかに、立町から支倉町までタクシーを使って移動していた。

 河北新報社の取材に対し、梅原市長は「公用車で運んだのはすべて公務で使う書籍や書類。仕事で使う物を運ぶことも公務の一環だ」と強調。引っ越しの理由は「個人的なことで、言う必要はない」と話した。

 引っ越し後に立町から支倉町までタクシーを使った理由についても「残っていた資料を運んだ。私的利用ではない」と説明している。

◎正当性疑わしい/同志社大大学院総合政策科学研究科の新川達郎教授(公共政策論)の話 

 公務に関する物を運ぶのに公用車や職員を使うなら、市の業務命令があってしかるべきだ。本当に公務に必要な資料かどうか判断できない上、個人的事情での引っ越しに伴う公用車使用では正当性が疑わしい。「公私混同」と指摘されても仕方がない。公務に関する資料を自宅に置くこと自体、適切なのか。

 プライベートで何をしようと自由だが、行政のトップとしての公務性を強調するのなら、有権者への説明が不可欠。一連のタクシーチケット問題からも感じるが、梅原克彦市長は説明責任や行政手続きの適正さに対する認識が欠如しているようだ。河北より

一言 河北の意見「プライベートで何をしようと自由だが、行政のトップとしての公務性を強調するのなら、有権者への説明が不可欠。一連のタクシーチケット問題からも感じるが、梅原克彦市長は説明責任や行政手続きの適正さに対する認識が欠如しているようだ。」はまったく其の通り