入試シーズンの本格的な幕開けとなる大学入試センター試験が17日、全国738の会場で始まった

 入試シーズンの本格的な幕開けとなる大学入試センター試験が17日、全国738の会場で始まった。試験は18日まで。志願者は昨年より596人多い54万3981人で、今春に高校を卒業する予定の現役生が過去最高の79.3%を占めた。

 入学者選抜にセンター試験を利用する国公私立の大学と短大は昨年より20校増え、これまでで最も多い797校。総募集人員に対する志願倍率は昨年並みの3.0倍となる見通しだ。

 大手予備校などによると、今年は不況の影響から学費の安い国公立や自宅から通える地元の大学を目指す傾向が強まっているという。
 初日は公民のほか、地理歴史、国語、外国語も行われ、例年、機器の不具合などトラブルが相次いでいる英語のリスニング試験は午後に実施。

 大学入試センターによると、公民のうち「倫理」の問題で選択肢の一つに誤った記述があったため、各会場で冒頭に訂正内容を板書し注意喚起した。「地理B」の問題でも誤字が見つかったが、「正解を導く上で支障がない」とし、受験生には説明しなかったという。
 18日は、理科と数学の試験が行われる。

 東北大、宮城教育大、東北学院大など11会場がある宮城県内は、朝方まで山沿いを中心に雪となった。仙台の朝の最低気温は氷点下0.6度で3月上旬並み。市街地もうっすらと雪が積もったが、交通機関に大きな乱れはなかった。

 県内最多の2820人が受験する仙台市青葉区の東北大川内北キャンパスは、芝生広場などが白一色に。職員は早朝から雪かきをして受験生の来場に備えた。

 友人と開場を待っていた宮城野区の高校3年女子(18)は「納得いくまで勉強を重ねてきた。悔いはない」とリラックスした様子。同区の予備校生男子(19)は「試験時間の長い国語や英語で、集中力を持続させられるかどうかが鍵になる」と気合を入れた。

 県内の志願者は9687人(前年比216人減)で、最初の科目の公民には6028人が挑んだ。受験率は62.2%で前年を1.4ポイント上回った。 河北より