◎定額給付金に対して全国8市町議会で反対意見書可決

定額給付金を盛り込んだ2008年度第2次補正予算の成立を受け、東北の各自治体が戸惑いを抱えながら準備作業を本格化させている。一部自治体は専任職員の配置や実施本部の創設に踏み出した。しかし、支給対象者の確定や申請手続きの取り扱いなど細部は不透明なままで、「年度内の支給開始は不可能」との悲鳴が渦巻く。春の繁忙期を直撃する「給付金狂想曲」に担当者は戦々恐々としている。

 仙台市は1月1日、専任職員2人を区政課内に配置。国会の論戦を横目に、給付金をめぐる情報収集や態勢づくりについて下準備を進めてきた。

 支給対象となるのは約45万世帯。2月1日時点の住民基本台帳を基にした対象者の確定や郵送による申請受け付け、口座振り込みや現金手渡しなど一連の業務を検証している。だが、国から詳細な指示が出されていない項目が多い。

 基準日後の出生や転出入の届け出をどこまで対象に含むか、振り込め詐欺が懸念される中で、申請書の記入不備をどう確認するか、ホームレスへの支給は―。鈴木憲一区政課長は「はっきりしない部分が多い。具体的な見通しが立たない」と表情を曇らせる。

 盛岡市は昨年12月、ワーキンググループを設置し、2月に実施本部を設立する。専任、兼任職員を配置する方針だが、実際の作業量や必要な臨時職員の数などのめどは立っていない。

 東藤郁夫企画調整課長は「年度替わりの忙しい時期で負担は重い。国から手引は来たが、実際に何が起こるのか、やってみなければ分からない部分が多い」と話す。

 青森、秋田、山形、福島の各市もプロジェクトチームや作業班の発足に向けて調整を進めている。いずれも「やれるところからやっていくしかない」と手探り状態だ。

 山形市の佐藤正志総務課長補佐は「自分で書類を準備できない独り暮らしの高齢者対策なども考える必要がある。全世帯に間違いなく給付できるか不安だ」と漏らす。

 総務省は年度内の支給開始を目指して準備を要請している。「年度内の支給は限りなく困難」(青森市)「年度をまたぐ可能性は十分ある」(福島市)「5月の連休も厳しい感じがする」(山形市)と戸惑う市町村との溝は深い。

 「年度内支給は100パーセントできない」「手法を再検討するべきではないか」。全国市長会長として佐竹敬久市長が再三再四、国に苦言を呈してきた秋田市。市広報課は「支給は各市町村の判断といわれても、現場は混乱するだけ。時期についても半年から1年くらいは幅を持たせてほしい」と求めている。

◎全国8市町議会で反対意見書可決

 定額給付金に対して、地方議会で反対意見書を可決する動きが出ている。全国市議会議長会などによると、31日までに8市町の議会で可決された。市区町村がこれから各議会に提出する関連の補正予算案が否決されれば、自治体は支給事務を行うことができないため、総務省は8議会の動向に気をもんでいる。

 意見書では、東京都の調布市国立市大阪府高槻市兵庫県西宮市の4市議会は白紙撤回を要求。京都市京都府宇治市は政府の2008年度第2次補正予算からの切り離しを訴え、和歌山市と北海道日高町は地方が自由に使える交付金にするなど制度の見直しを求めている。

 これらは自民党公明党系の会派と民主党共産党などの会派の勢力が拮抗(きっこう)しているところがほとんど。世論調査などで給付金への反対が多いことも背景に、補正予算案を否決する可能性は否定できない。

 ただ、同様に市区町村議会の議決が必要だった1999年の地域振興券では否決した議会はなかった。給付を受けられない住民の反発を考えれば否決に踏み切るのは難しいとみられるが、総務省は「全自治体で可決してもらえるよう理解を求めるだけ」と話している。 河北より

一言 「定額給付金に対して全国8市町議会で反対意見書可決」とあるがこれは筋違いもいいとこ。
貰いたい人の気持ちも考えて欲しい。国が個人に差し上げるというものを個人が拒否するのは分かるが何故議会で反対といえるのか?定額給付金を議会に上げるというのではないのだ。履き違えている。