仙台市青葉区のJR仙台駅周辺のビル屋上で、骨組みだけが残された屋外広告が目立っている。

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 仙台市青葉区のJR仙台駅周辺のビル屋上で、骨組みだけが残された屋外広告が目立っている。エステティックサロン各種学校などの看板が姿を消した後、次の広告が入らないためだ。東北最大の都市の活気を醸し出してきた屋上看板。鉄骨がむき出しとなった寒々しい光景は東北経済の低迷ぶりも浮かび上がらせている。

 南町通沿いのビルで昨年12月、クレジットカード会社の屋上看板が外された。仙台駅からも見える好立地で、年間の掲出料は1200万円。設置業者によると、1993年から看板を出してきたが、広告料の削減を理由に契約が更新されなかったという。

 アエル向かいのビルから、経営破綻(はたん)した英会話学校の看板が外されたのは昨年1月。その後1年間、広告主は決まらなかった。看板業者は「景気低迷の影響だろう。昨年秋以降は引き合いもぐっと減った」と嘆く。

 屋上看板を含む屋外広告は主に看板業者が広告主を探し、ビルオーナーに賃料を支払う。貸主にとっては店子(たなこ)と同じ。空き看板を抱えるビル管理会社は「空き室も増えており、頭が痛い」と言う。

 電通総研によると、全国のネオン看板は07年、08年と前年比で2割ずつ減少した。屋上看板はネオンに限らず、縮小傾向にあるという。

 背景には広告媒体の多様化もあるようだ。全日本ネオン協会の前東北支部長で、東北電照(仙台市)の柿沼弘社長は「今はインターネットや携帯サイトのように、即効性のある広告媒体が人気。時間をかけて知名度を高める屋外広告は敬遠されがち」と説明する。

 広告主の自主規制や都市政策の変化という逆風も吹く。日本たばこ協会は05年から屋外広告を原則禁止。日本貸金業協会も07年から規制を強化した。

 自治体では、京都市が07年から条例で屋外広告物を禁止。仙台市も策定中の「杜の都景観計画」で、高層建築物の屋外広告はビル名に限るなどの基準を設ける考えだ。

[メ モ]屋上看板を含む屋外広告にはネオン看板のほか、ライトアップしたり、光源で内側から照らしたりする照明看板などがある。JR仙台駅周辺の掲出料の相場は年間1000万―2000万円。別に製作費が掛かる。東北のほかの県庁所在地の駅前に比べ、掲出料は4、5倍という。河北より

一言 景気が悪くなると一番に経費削減ですね。人件費、広告費などでそれが悪いほうへ悪いほうへ波及して行きますます悪くなります。政府は1日も早く景気回復に努めてもらいたいです。